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夜なかなか寝付けなかったり、途中で目が覚めてしまったり、朝早くに目が覚めてしまう、そんな睡眠の悩みを抱えていませんか? もしかしたら、それは不眠症かもしれません。この記事では、不眠症の定義を分かりやすく解説します。睡眠障害との違いや診断基準はもちろん、代表的な症状や原因、そしてタイプ別の改善策まで網羅的にご紹介します。さらに、日常生活でできる不眠症対策や、悪化した場合の影響についても詳しく説明。この記事を読めば、不眠症の正しい知識を身につけ、質の高い睡眠を取り戻すための第一歩を踏み出せるはずです。
1. 不眠症の定義
不眠症は、単に眠れない夜が続くこととは少し違います。医学的には、睡眠に関わる問題を抱え、それが心身の健康や日常生活に悪影響を及ぼしている状態を指します。
1.1 不眠症とは何か?
不眠症とは、睡眠の質、量、またはタイミングに問題があり、日中の活動に支障が出る状態です。具体的には、寝付きが悪い、途中で何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、ぐっすり眠れないといった症状が挙げられます。これらの症状が1ヶ月以上続き、日中の倦怠感、集中力の低下、イライラ感などにつながる場合、不眠症と診断される可能性があります。
1.2 睡眠障害との違い
「睡眠障害」は睡眠に関するあらゆる問題を包括する言葉で、不眠症はその中に含まれます。つまり、不眠症は睡眠障害の一種です。睡眠障害には、不眠症の他に、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、概日リズム睡眠障害など、様々な種類があります。睡眠障害の中でも、不眠症は最も一般的な症状の一つです。
1.3 不眠症の診断基準
不眠症の診断は、国際的な診断基準であるICD-10やDSM-5に基づいて行われます。主な診断基準は以下の通りです。
基準 | 内容 |
---|---|
睡眠の質、量、またはタイミングに関する不満 | 寝付きが悪い、眠りが浅い、途中で何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまうなど |
十分な睡眠機会があるにもかかわらず、上記の睡眠困難が週3回以上出現する | 睡眠時間を確保しようと思えばできる状況であるにもかかわらず、睡眠困難が生じている |
上記の睡眠困難が3ヶ月以上持続する | 一時的な不眠ではなく、慢性的な状態である |
日中の機能障害 | 倦怠感、集中力の低下、意欲の低下、気分の落ち込み、日中の眠気など |
他の睡眠障害、精神疾患、身体疾患、薬物使用などが原因ではない | 他の原因によって引き起こされている不眠ではない |
これらの基準を満たす場合、不眠症と診断される可能性があります。自己判断せず、専門医に相談することが重要です。
2. 不眠症の症状
不眠症の症状は、睡眠に問題が生じることだけでなく、日中の活動にも影響を及ぼします。具体的には、以下のような症状が現れます。
2.1 不眠症の代表的な症状
不眠症の代表的な症状は、大きく分けて以下の4つに分類されます。
症状 | 説明 |
---|---|
入眠困難 | 布団に入ってから30分以上眠れない状態が続くことを指します。寝ようとしてもなかなか寝付けず、焦りや不安を感じることがあります。 |
中途覚醒 | 睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態です。一度目が覚めると再び寝付くのが難しく、睡眠時間が短くなってしまいます。 |
早朝覚醒 | 普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、その後は眠れない状態です。朝早く目が覚めてしまうため、日中の活動に支障をきたすことがあります。 |
熟眠障害 | 睡眠時間は十分とれていても、深い睡眠が得られていない状態です。朝起きた時に疲れが取れておらず、日中も眠気や倦怠感を感じることがあります。 |
2.2 日常生活への影響
不眠症は、睡眠の質が低下するだけでなく、日常生活にも様々な影響を及ぼします。代表的なものとして、以下のような症状が挙げられます。
- 日中の強い眠気
- 集中力の低下
- 倦怠感
- 意欲の低下
- イライラしやすくなる
- 頭痛
- 食欲不振
- めまい
これらの症状は、仕事や学業、家事など、日常生活の様々な場面に支障をきたす可能性があります。不眠症状が続いている場合は、早めに専門機関に相談することが大切です。
3. 不眠症の原因
不眠症の原因は多岐にわたり、複雑に絡み合っていることが多く、一つに特定できない場合もあります。大きく分けて身体的な原因、精神的な原因、環境的な原因、生活習慣による原因が挙げられます。
3.1 身体的な原因
身体的な原因には、痛みやかゆみ、咳などの身体症状を引き起こす病気が隠れている場合があります。また、加齢による身体機能の変化も影響します。
疾患 | 症状 |
---|---|
慢性疼痛 | 腰痛、関節リウマチ、神経痛など、持続的な痛みによって睡眠が妨げられます。 |
呼吸器疾患 | 喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、呼吸困難によって夜間に目が覚めてしまうことがあります。 |
心臓疾患 | 心不全など、心臓の機能低下によって呼吸困難や動悸が生じ、睡眠を阻害することがあります。 |
甲状腺機能亢進症 | 代謝が活発になり、動悸や発汗、不安感などが強くなり、不眠につながることがあります。 |
夜間頻尿 | トイレのために何度も目が覚めてしまい、睡眠の質が低下します。前立腺肥大症や過活動膀胱などが原因となることがあります。 |
レストレスレッグス症候群 | 脚に不快な感覚があり、動かしたい衝動に駆られるため、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めてしまったりします。 |
周期性四肢運動障害 | 睡眠中に脚が周期的にピクピクと動くため、睡眠が浅くなり、熟睡感が得られません。 |
3.2 精神的な原因
精神的な原因には、ストレスや不安、抑うつ状態など、精神的な負担がかかっている状態が挙げられます。過剰な心配事や精神的な緊張は、脳を覚醒状態に保ち、睡眠を妨げます。
状態 | 影響 |
---|---|
ストレス | 仕事や人間関係、将来への不安など、様々なストレスが自律神経のバランスを崩し、不眠につながります。 |
不安障害 | 強い不安や心配事が頭から離れず、リラックスできず、寝つきが悪くなります。 |
うつ病 | 気分の落ち込みや意欲の低下、不眠はうつ病の代表的な症状です。 |
3.3 環境的な原因
環境的な原因には、騒音や光、温度、湿度など、睡眠を取り巻く環境が適切でないことが挙げられます。快適な睡眠環境は、質の高い睡眠を得る上で重要です。
- 騒音:車の音や近隣の生活音など、外部からの騒音は睡眠を妨げます。
- 光:明るい照明や街灯、パソコンやスマートフォンの画面から出る光は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。
- 温度・湿度:室温や湿度が高すぎたり低すぎたりすると、快適に眠ることができません。
- 寝具:自分に合わないマットレスや枕を使用していると、身体に負担がかかり、睡眠の質が低下します。
3.4 生活習慣による原因
生活習慣による原因には、不規則な生活リズムやカフェインの過剰摂取、寝る前の飲酒、運動不足などが挙げられます。生活習慣の改善は、不眠症の改善に大きく繋がります。
- 不規則な生活リズム:寝る時間や起きる時間が毎日バラバラだと、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下します。
- カフェインの過剰摂取:コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、覚醒作用があり、睡眠を妨げます。
- 寝る前の飲酒:アルコールには睡眠を誘発する作用がありますが、睡眠の後半で中途覚醒しやすくなるため、結果的に睡眠の質を低下させます。
- 運動不足:適度な運動は睡眠の質を向上させますが、運動不足は睡眠不足につながる可能性があります。ただし、寝る直前の激しい運動は逆効果です。
- 寝る前の食事:寝る直前に食事をすると、消化活動のために内臓が活発に働き、睡眠を妨げます。
- 昼寝:昼寝は夜の睡眠に影響を与える可能性があります。昼寝をする場合は、30分以内にしましょう。
4. 不眠症の種類
不眠症は、その症状が現れるタイミングや睡眠の状態によって、いくつかの種類に分けられます。大きく分けて、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つの種類があります。それぞれの特徴を理解することで、より適切な対策をとることができます。
4.1 入眠障害
入眠障害は、寝床に入ってから30分以上経っても眠れない状態が続くことを指します。なかなか寝付けないため、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの悩みを抱える方が多いです。ストレスや不安、不規則な生活習慣などが原因となることが多いです。
4.2 中途覚醒
中途覚醒は、睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態です。一度目が覚めると再び寝付くのに時間がかかったり、その後も何度も目が覚めてしまい、十分な睡眠時間を確保できないことがあります。身体的な痛みや精神的なストレス、カフェインの過剰摂取などが原因として考えられます。
4.3 早朝覚醒
早朝覚醒は、普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、その後も眠れない状態のことを指します。朝早く目が覚めてしまうため、日中の倦怠感や集中力の低下につながることがあります。加齢や抑うつ状態などが原因となることが多いです。
4.4 熟眠障害
熟眠障害は、睡眠時間は十分に取れているにもかかわらず、深い睡眠が得られない状態です。朝起きた時に疲れが取れていなかったり、日中も眠気が強いなどの症状が現れます。ストレスや生活習慣の乱れ、睡眠時無呼吸症候群などが原因として考えられます。
種類 | 症状 | 考えられる原因 |
---|---|---|
入眠障害 | 寝床に入ってから30分以上眠れない | ストレス、不安、不規則な生活習慣など |
中途覚醒 | 睡眠中に何度も目が覚める | 身体的な痛み、精神的なストレス、カフェインの過剰摂取など |
早朝覚醒 | 普段より2時間以上早く目が覚め、その後眠れない | 加齢、抑うつ状態など |
熟眠障害 | 睡眠時間は十分でも深い睡眠が得られない | ストレス、生活習慣の乱れ、睡眠時無呼吸症候群など |
これらの不眠症の種類は、単独で現れる場合もあれば、複数組み合わさって現れる場合もあります。ご自身の症状をよく観察し、どの種類の不眠症に当てはまるのかを把握することで、適切な改善策を見つけることができます。
5. タイプ別不眠症の改善策
不眠症のタイプに合わせて適切な改善策を行うことが重要です。ここでは、入眠障害、中途覚醒・早朝覚醒、熟眠障害それぞれのタイプに合った改善策を解説します。
5.1 入眠障害の改善策
なかなか寝付けない入眠障害には、以下の改善策が有効です。
5.1.1 睡眠衛生指導
睡眠衛生指導とは、睡眠に良い生活習慣を身につけるための指導のことです。毎日同じ時間に寝起きする、寝室を暗く静かに保つ、カフェインを控えるなど、基本的な生活習慣の見直しから始めます。
5.1.2 刺激制御法
刺激制御法は、寝室を睡眠だけの場所とすることで、眠れないことへの不安や焦りを軽減する方法です。寝床で眠ろうと努力するのではなく、眠くなったら寝床に入り、眠れない場合は他の部屋へ移動してリラックスしてから再び寝床に戻ることを繰り返します。
5.1.3 睡眠制限法
睡眠制限法は、睡眠時間を意図的に制限することで睡眠効率を高め、入眠しやすくする方法です。睡眠時間を短くすることで、次の日の夜には自然と眠気が強くなり、入眠しやすくなります。ただし、この方法は医師の指導のもとで行うことが推奨されます。
5.2 中途覚醒・早朝覚醒の改善策
夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒や、朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒には、以下の改善策が有効です。
5.2.1 認知行動療法
認知行動療法は、不眠に関する間違った考え方や行動パターンを修正することで、睡眠の質を改善する方法です。「眠れない」という不安や焦りを軽減し、睡眠に対するネガティブな思考を変えていくことで、不眠の悪循環を断ち切ることができます。
5.2.2 リラクゼーション法
リラクゼーション法は、心身のリラックスを促し、睡眠の質を向上させる方法です。腹式呼吸、瞑想、ヨガ、アロマテラピーなど、様々な方法があります。自分に合った方法を見つけることが大切です。
5.3 熟眠障害の改善策
朝起きた時に熟睡感を得られない熟眠障害には、以下の改善策が有効です。
改善策 | 内容 |
---|---|
生活習慣の見直し | 規則正しい生活リズムを維持し、睡眠時間を確保することが重要です。バランスの取れた食事、適度な運動も効果的です。 |
ストレスマネジメント | ストレスは熟睡を妨げる大きな要因です。ストレスを軽減するための方法を見つけることが重要です。趣味やリラックスできる活動に取り組む、悩みを相談するなど、自分に合った方法を見つけましょう。 |
睡眠環境の改善 | 寝室の温度や湿度、明るさ、静けさなど、睡眠環境を整えることで睡眠の質を向上させることができます。快適な寝具を選ぶことも大切です。 |
カフェイン・アルコールの摂取制限 | カフェインやアルコールは睡眠の質を低下させる可能性があります。特に寝る前の摂取は控えましょう。 |
これらの改善策を試しても不眠が改善しない場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
6. 不眠症の治療法
不眠症の治療は、大きく分けて薬物療法と非薬物療法の2種類があります。症状や原因、生活習慣などを考慮し、患者さんに合った治療法を選択することが重要です。治療方針は医師とよく相談して決めていきましょう。
6.1 薬物療法
薬物療法は、睡眠導入剤や睡眠維持剤など、睡眠薬を用いて睡眠の状態を改善する方法です。睡眠薬には様々な種類があり、それぞれ作用時間や効果が異なります。
睡眠薬は、医師の指示に従って正しく服用することが大切です。自己判断で服用を中止したり、量を増やしたりすることは危険ですので、必ず医師に相談してください。
種類 | 作用 | 特徴 |
---|---|---|
ベンゾジアゼピン系 | 脳の活動を抑制し、睡眠を促す | 効果が現れやすいが、依存性や耐性が生じる可能性がある |
非ベンゾジアゼピン系 | ベンゾジアゼピン系と同様に睡眠を促す | 依存性や耐性が生じにくい |
メラトニン受容体作動薬 | 睡眠ホルモンであるメラトニンの作用を強める | 自然な睡眠に近い形で入眠を促す |
オレキシン受容体拮抗薬 | 覚醒を維持するオレキシンの作用を阻害する | 入眠と睡眠維持の両方に効果がある |
6.2 非薬物療法
非薬物療法は、薬物を使用せずに不眠症を改善する方法です。主に、睡眠衛生指導、刺激制御法、睡眠制限法、認知行動療法、リラクゼーション法などがあります。これらの方法は、単独で行うこともありますが、組み合わせて行うことでより効果が高まる場合もあります。
6.2.1 睡眠衛生指導
睡眠衛生指導とは、睡眠に良い生活習慣を身につけるための指導です。規則正しい睡眠スケジュールを維持することや、カフェインやアルコールの摂取を控えること、寝る前にリラックスする時間を作るなど、日常生活における改善点を指導します。
6.2.2 刺激制御法
刺激制御法は、寝室を睡眠だけの場所として認識させることで、睡眠の質を高める方法です。寝室では寝ることと起きること以外を行わず、眠れない場合は寝室から出て他の部屋で過ごすなど、睡眠と覚醒のメリハリをつけることを目的としています。
6.2.3 睡眠制限法
睡眠制限法は、睡眠時間を意図的に制限することで、睡眠効率を高める方法です。最初は睡眠時間を短く設定し、徐々に時間を延ばしていくことで、睡眠の質を改善していきます。
6.2.4 認知行動療法
認知行動療法は、不眠症に対する間違った考え方や行動パターンを修正することで、睡眠の質を改善する方法です。睡眠に関する不安や心配を取り除き、より良い睡眠習慣を身につけることを目的としています。
6.2.5 リラクゼーション法
リラクゼーション法は、心身のリラックスを促すことで、睡眠の質を改善する方法です。ヨガや瞑想、アロマテラピーなど、様々な方法があり、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
これらの治療法は、患者さんの状態に合わせて組み合わせて行われます。どの治療法が適切かは、医師の診断に基づいて決定されますので、自己判断せずに医師に相談することが大切です。
7. 日常生活でできる不眠症対策
不眠症の改善には、医療機関での治療だけでなく、日常生活でのセルフケアも重要です。ここでは、自宅でできる不眠症対策についてご紹介します。
7.1 睡眠環境を整える
快適な睡眠を得るためには、睡眠環境を整えることが大切です。寝室の温度や湿度、照明、音など、睡眠に影響を与える要素を調整することで、より良い睡眠を得られる可能性があります。
7.1.1 寝室の温度と湿度
夏は26℃前後、冬は18℃前後に室温を保つことが理想的です。また、湿度は50~60%を目安に調整しましょう。温度や湿度が高すぎたり低すぎたりすると、睡眠の質が低下する可能性があります。
7.1.2 照明
寝る前は部屋の照明を暗くし、リラックスできる環境を作りましょう。強い光はメラトニンの分泌を抑制するため、睡眠の妨げになる可能性があります。豆電球や間接照明など、暖色系の落ち着いた照明がおすすめです。
7.1.3 音
周囲の騒音が気になる場合は、耳栓を使用したり、ホワイトノイズを流したりするのも効果的です。ホワイトノイズとは、一定の周波数帯域の音で、周りの音をマスキングする効果があります。扇風機の音や雨の音などもホワイトノイズの一種です。
7.2 寝る前の習慣を見直す
寝る前の行動が睡眠に影響を与えることもあります。以下のような点に注意して、寝る前の習慣を見直してみましょう。
7.2.1 カフェインの摂取を控える
カフェインには覚醒作用があるため、寝る前のカフェイン摂取は控えましょう。コーヒーや紅茶、緑茶だけでなく、チョコレートや栄養ドリンクなどにもカフェインが含まれているため注意が必要です。カフェインの影響は数時間続く場合もあるため、夕方以降は摂取を控えることが望ましいです。
7.2.2 アルコールの摂取を控える
アルコールには睡眠導入効果があると思われがちですが、実際には睡眠の質を低下させる可能性があります。アルコールを摂取すると、睡眠が浅くなり、中途覚醒が増えることがあります。また、利尿作用もあるため、夜中にトイレで目が覚めてしまうこともあります。
7.2.3 寝る前にパソコンやスマートフォンを使用しない
パソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を抑制するため、睡眠の妨げになる可能性があります。寝る1時間前からは使用を控え、リラックスして過ごすようにしましょう。
良い習慣 | 良くない習慣 |
---|---|
ぬるめのお風呂に入る | 寝る直前に食事をする |
リラックスできる音楽を聴く | 激しい運動をする |
読書をする | 寝る前に考え事をする |
7.3 食事に気を付ける
食事の内容やタイミングも睡眠に影響を与えます。バランスの良い食事を心がけ、睡眠の質を高めましょう。
7.3.1 トリプトファンを摂取する
トリプトファンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となる必須アミノ酸です。トリプトファンを多く含む食品としては、牛乳、ヨーグルト、バナナ、大豆製品などがあります。これらの食品を夕食に取り入れることで、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。
7.3.2 夕食は寝る3時間前までに済ませる
寝る直前に食事をすると、消化活動によって睡眠が妨げられる可能性があります。夕食は寝る3時間前までに済ませ、胃腸を休ませてから寝るようにしましょう。
7.4 適度な運動をする
適度な運動は、睡眠の質を向上させる効果があります。ただし、激しい運動は交感神経を興奮させるため、寝る直前に行うのは避けましょう。ウォーキングやヨガなどの軽い運動を、日中に行うのがおすすめです。無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。
8. 不眠症が悪化するとどうなる?
不眠症が長引いたり、悪化したりすると、身体面、精神面、社会生活の様々な面に悪影響を及ぼします。放置せずに適切な対処をすることが重要です。
8.1 身体への影響
不眠が続くと、身体は常に疲労状態に陥り、様々な身体的症状が現れます。例えば、免疫力の低下により風邪などの感染症にかかりやすくなったり、頭痛や肩こり、めまい、動悸、息切れなどの症状が現れることがあります。また、自律神経のバランスが乱れ、胃腸の不調や食欲不振なども引き起こす可能性があります。
症状 | 詳細 |
---|---|
免疫力低下 | 風邪などの感染症にかかりやすくなります。 |
身体の痛み | 頭痛、肩こり、腰痛などが起こりやすくなります。 |
自律神経失調症 | めまい、動悸、息切れ、胃腸の不調、食欲不振などが起こります。 |
高血圧 | 睡眠不足は血圧を上昇させる要因となります。 |
糖尿病 | 睡眠不足は血糖値のコントロールを難しくします。 |
8.2 精神への影響
不眠は精神面にも大きな影響を与えます。日中の倦怠感や集中力の低下、イライラしやすくなるなどの症状は、日常生活や仕事に支障をきたす可能性があります。さらに、不眠が慢性化すると、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクが高まることが知られています。また、思考力や判断力の低下も起こり、事故のリスクも高まります。
症状 | 詳細 |
---|---|
日中の倦怠感 | 常に疲労感を感じ、活動意欲が低下します。 |
集中力の低下 | 仕事や勉強に集中することが難しくなります。 |
情緒不安定 | イライラしやすくなったり、感情の起伏が激しくなります。 |
うつ病・不安障害 | 不眠がこれらの精神疾患の引き金となることがあります。 |
8.3 社会生活への影響
不眠症が悪化すると、仕事や学業のパフォーマンスが低下し、職場や学校での人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、日常生活における活動量の減少や、趣味や娯楽への興味の喪失など、生活の質の低下につながることも懸念されます。さらに、自動車の運転など、集中力が必要な作業に支障が出るため、事故のリスクも高まります。
影響 | 詳細 |
---|---|
仕事・学業への影響 | パフォーマンスの低下や遅刻、欠勤につながります。 |
人間関係への影響 | イライラしやすくなることで、周囲との摩擦が生じやすくなります。 |
生活の質の低下 | 活動量の減少や趣味への興味の喪失など、生活の質が低下します。 |
事故のリスク増加 | 集中力の低下により、事故を起こす可能性が高まります。 |
不眠症は放置すると様々な悪影響を及ぼすため、早期に適切な対応をすることが重要です。少しでも不眠の症状が気になる場合は、専門機関への相談を検討しましょう。
9. 医療機関への相談
不眠症が改善しない、または悪化している場合は、医療機関への相談を検討しましょう。自己判断で市販薬などを長期間使用することは、かえって症状を悪化させる可能性があります。適切な診断と治療を受けることで、不眠症の根本的な原因に対処し、より効果的な改善策を見つけることができます。
9.1 何科を受診すれば良いか
不眠症の症状で受診する場合、まずはかかりつけ医に相談するのが良いでしょう。かかりつけ医がいない場合は、下記の診療科を受診することを検討してください。
診療科 | 概要 |
---|---|
精神科 | うつ病や不安障害など、精神的な原因が疑われる場合は、精神科が適切です。 |
心療内科 | 身体症状に加えて、心理的な要因も影響している場合は、心療内科の受診が適しています。 |
神経内科 | レストレスレッグス症候群や睡眠時無呼吸症候群など、神経系の疾患が原因で不眠症になっている可能性がある場合は、神経内科を受診します。 |
その他、内科などでも睡眠に関する相談を受け付けている場合があります。どの診療科を受診すべきか迷う場合は、医療機関に問い合わせて相談してみましょう。
9.2 受診前に準備しておくこと
受診前に以下のことを準備しておくと、医師とのスムーズなやり取りに役立ちます。
9.2.1 現在の症状
- いつ頃から不眠症状が現れたか
- どのような症状か(寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまうなど)
- 症状の頻度や程度
9.2.2 生活習慣
- 起床時間と就寝時間
- 食事の時間や内容
- カフェインやアルコールの摂取状況
- 運動習慣
9.2.3 既往歴や服用中の薬
- 過去の病気やケガ
- 現在服用している薬(市販薬を含む)
- アレルギーの有無
これらの情報をメモしておいたり、睡眠日誌をつけておくと、医師に状況を伝えやすくなります。睡眠日誌は、睡眠時間や睡眠の質、日中の眠気などを記録するものです。専用のアプリなども利用できます。
10. まとめ
不眠症は、単に寝つきが悪いだけでなく、睡眠の質や時間、日常生活への影響など様々な要素を考慮した上で診断されるものです。その原因も身体的なものから精神的なもの、生活習慣まで多岐にわたります。睡眠不足が続くと、集中力の低下や日中の眠気だけでなく、身体的・精神的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。この記事では、不眠症の定義、症状、原因、種類、そしてタイプ別の改善策や治療法について解説しました。睡眠にお悩みの方は、まずはご自身の睡眠習慣を見直すことから始めてみましょう。規則正しい生活リズムやリラックスできる睡眠環境づくりも大切です。それでも改善が見られない場合は、医療機関への相談も検討してみてください。
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